2011年7月1日金曜日

最新水着素材

「ファッション水着」の需要は、いまやオールシーズンだ。海外リゾートやスパなど、むしろ夏以外に着る機会が増えて、冬場の販売枚数が伸びているという。では、2010年の水着トレンドはどうなのか? 今年は昨年の水着レポー3点セット水着 トより足を伸ばして、「素材メ-カー」「アパレルメーカー」「店頭」と三方面を取材。まずは水着の素材メーカ-、東レにお邪魔しました
「機能性がないと売れ筋は作れない」
東レは合成繊維を中心に、高機能素材を国内外のアパレルメーカーやスポーツメーカーに供給し、水着素材では国内市場の約7割、なかでも特に高性能が求められる競泳水着素材では約9割のシェアを占める国内最大手の素材メーカーです。
「素材メーカー」でありながら、東レは、水着については製品まで絡めたキャンペーンを打ち出している。これは東レのなかでも珍しいそうで、「水着は、ほかの繊維製品と比べると、店頭さんとのお付き合いを多くさせてもらっている」(東レ スイムウェア課の岡村裕生課長)といいます。 東レの取引先は、洋服を作るアパレルメーカーや、生地を染めたり加工したりする工場です。しかし、「水着の生地の営業に関しては、結構、製品化するところまで、うちの営業が入り込んで直水着接話をします。例えば店頭ですと、三愛の西銀座さん(三愛水着楽園の西銀座本店)や、池袋西武さんなどですね」(同社広報課の海老原直子さん)。
こうして水着の素材開発は、店頭でのヒヤリングを通じて、「消費者のニーズ」を探っていくそうです。――そう、「肌」にじかに着けるものだから、消費者からいえば着心地はランジェリーにも匹敵するほど重要。しかも、あえて人前で着用するのが水着です。ボディーにまとう“布一枚のとりで”……となれば、「ただの布」以上の重みというか、機能が欲しい! 岡村課長は、「そこに機能性がないと売れ筋商品は作れないし、消費者は満足しない。ファッションとして着る水着に、ここまで機能を持たせる素材を使う日本のマーケットは、世界的にみて特殊だと思う」と分析する。 では、「こんなのが欲しかった!」という消費者のニーズに応えて実現した東レの新素材には、一体どんなものがあるのか。2008年に登場する主要素材を拝見しましょう。
水が肌にペッタリくっつく“冷え感”を軽減する「サラカラ」
プールや海からあがった後、冷たい水が肌にペタっとくっついたまま、ひんやりして気持ち悪い……という経験はありませんか? 2003シーズンに登場した「サラカラ」の特徴は、「濡れた水着が速く乾いて、体が冷えにくい」こと。“体が濡れたままの冷え感”を軽減する速乾水着素材です。
サラカラは、遊泳水着メーカーでもスポーツメーカーでも採用され、「ここ数年、一番ヒットした素材。今も売れ筋で、発売以来ずっと好調」(岡村課長)とのこと。
そもそも、こうした「ファッション水着の素材に機能を持たせる」傾向は、一体いつから顕著なのか?
真っ白でも透けない「防透け」から、「機能性+ファッション」水着が始まった
「白地に模様があるのはそれまでにもありましたが、真っ白の水着は、ほとんどなかった。真っ白にすると、ブラのカップとか裏地のベージュのすじが透けちゃったり。薄い黄色や薄いピンクでも透けやすいんです」(広報課・海老原直子さん)。
「今は若い人でも、焼きたくないと肌を隠す女性が多いですけど、90年代当時はまだ日焼けをする人のほうが多かった。“小麦色に焼けた肌に白い水着”が映えてカッコよく見えたんじゃないですかね」(ニット衣料・資材事業部 スイムウェア課 コーディネーター・岡本律子さん) 一体「機能素材とファッションが融合した水着」って、いつごろ始まったのか。 1994年にデビューした真っ白無地の「ボディシェル」。これが一番最初らしい。その特徴は、「防透け(ぼうすけ)」。白でも透けにくい加工が施してある。そして、この年は、「世の中的には白い水着がはやった年」(海老原さん)になった。「“白い水着を着る”というトレンドが、素材の機能性によって実現したんです」(同)。なるほど! これは、当時、「白がはやりそうだから素材に機能をもたせようと、照準を合わせてアパレルメーカーとコラボしたのか? 「いや、“白い水着”を着たいというニーズは前からあったんです。だけど、打ち出せなかった。透けるとお客さんからクレームがきたり、もう着ないということになるので、アパレルさんも作れない。ニーズはあってもモノは売れない。でも、そこに『ボディシェル』が出て、今まで作れなかったものが作れるようになった」(岡村課長)。なるほど! 「ある意味、爆発したわ女性 水着けです。やっと白い水着が着られるということなんでしょうね」(同)。この年、「白い水着が店頭にあふれた」(海老原さん)というのもうなずけます。ボディシェルは、今も定番素材です。 次に、水着に砂が付きにくい「サンドプルーフ」の実験を見せていただきます。

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