2011年6月29日水曜日

今年の水着はこだわり素材と色合いで勝負

東レと旭化成の今シーズン向け水着素材の販売方針が出そろった。猛暑で活況を呈した昨年と異なり、今年は東日本大震災の影響で個人消費の落ち込みも懸念されるが、東レは前年並み、旭化成は前年比8%増の販売を3点セット水着 目標に掲げている。

素材では、東レが環境を意識したこだわりをみせた。水中から上がったときに冷える感覚を軽減する特性がある「サラカラ」シリーズで、ペットボトルやフィルムくずなどを原料としたポリエステル素材を投入。植物由来水着の原料を一部に使った素材の品ぞろえも拡充した。

旭化成は紫外線カット効果や速乾性、プールの水に含まれる塩素で生地が傷みにくいといった機能を持つ4種類の高機能素材を重点的に展開。機能面に加え、「発色性や外観から受けるイメージといった『感性』にも重点を置いた素材が、今年は求められる」と分析する。

色合いやプリントでは、東レがややオレンジがかった赤を取り入れ、鮮やかなペイズリー模様や小花柄などを採用。水着の上から気軽に羽織れる女性向けのガウンなども提案し、組み合わせを自由に楽しめる点をアピールして販売単価のアップを図る。旭化成は「足元では、エスニック調でかわいらしい感じのものが売れている」とする。

今年は震災による消費者心理の悪化に加え、電力不足への対応でプールの営業に影響が出る可能性もあるが、東レは生地を枚数換算したベースで女性 水着前年並みの831万枚の販売を目指し、旭化成も金額ベースで8%増の販売を計画している。

東レの推計によると、国内の水着の市場規模は1990年代半ばが最盛期で、その後は低落傾向にある。こうした流れから、帝人や東洋紡、ユニチカは水着素材の事業を縮小するなどしている。

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